電車に乗ると扉近くの頭上に、時々路線図が有る。
あれは結構な範囲を網羅していて、端っこの地名を見ると
「こんなところまで線路で繋がっているのか」と感心することがあるのは筆者だけだろうか。
そして同時に「よくこんな複雑な路線を構築できるなあ」とも思うのだ。
今回紹介する「Mini Metro」はそれほどの規模ではないにしろ、
記号で簡略化された線路網もどきを作ることができるゲームだ。
◎ | スピード感のあるパズルゲームが好きな人 |
〇 | 直感や思い付きの行動が、意外と良い結果になる人 |
〇 | 一人でじっくりと遊びたい人 |
△ | 運が絡むゲームが苦手な人 |
「Mini Metro」において駅は記号で表される。
〇や△、□が主で、ゲームが進むにつれて☆や◇なんかも登場する。
ステージで最初に決まっているのは川だけで、駅の配置はランダムで決定される。
この駅たちを路線で繋ぎ、乗客(目的地の記号で表される)を運ぶのがこのゲームの趣旨だ。
ランダム要素に翻弄される
ゲーム内時間で毎週月曜日に、新たな設備が支給される。
新しい路線や車両、川を渡るための橋やトンネルなどがランダムで決定される。
乗客も加速度的に増加していくが、どの駅から乗る客が増えるか、これもまたランダムである。
駅に長時間乗客が停滞すると客の不満ゲージが高まり、ゲージが満タンになるとゲームオーバー。
それまでに運んだ乗客の数がスコアとなる。
ここまでの説明でお気づきの方も多いだろうが、このゲームはランダム要素が強い。
どんなに思考を尽くして構築した路線でも、不測の事態に陥ると瞬く間に乗客が溜まる。
もしものために設備のストックを確保しておきたいが、それもすぐに使い果たすだろう。
不思議な既視感と中毒性
しかし本気で取り組んでいると、ゲームーオーバー時の路線図は不思議と
どこかで見たことがあるような線路網になっていて、そこに至るまでの間で
恐ろしく順調に路線が運行していた瞬間があるのも珍しくない。
結果について運が強く絡むゲームではあるが、過程の美しさ・スマートさには実力が現れる、
不思議な感覚を覚えたゲームだった。
また、1プレイのボリュームが大きくないことも良い点だ。
多くの要素がランダムで決まる分、「もう一回やったら今より良い結果になるかも」という
期待が大きく、気づけば何回もプレイしてしまう。
そのうち新しいステージがアンロックされ、それに手を出していけばまた時間を消費する。
はっきり言ってしまうと明確に「楽しい!無限に遊べる!」といったゲームではない。
しかし気まぐれに一度起動すると、不思議と何時間か続けてしまう中毒性が有る。
中毒性に任せてガッツリやりこむも良し、気分転換や現実逃避に線路をいじるも良し。
プレイヤーの遊び方にゲームの方が合わせてくれる、良質な短編ゲームだ。