皆さんは事故物件に住んだことがあるでしょうか。「事故物件」「ワケあり物件」「いわく付き」呼び方はいくつかありますが、指してるものは大体どれも一緒ですね。
僕はこれまで5回引っ越しを経験しているのですが、1度もそういう物件に住んだことがありません。上京してから引っ越す際、一度だけ不動産会社に「訳あり物件とかって実際にあるんですか?もしあるなら見せて欲しい」という内容を尋ねたことがあります。
今も貧乏ですが、当時は今よりも更に極めて貧乏だったので、本当に事故物件があって相場より安いなら得ということで検討していました。オカルト話やホラーは好きなので映画を観たりゲームもよくやりますが、あまり怖いと思っていないので幽霊を見れるかもしれないという興味もあった気がします。
実際その時は「ありますよ」と言われたものの有耶無耶にされ、結局事故物件について教えてもらえることはありませんでした。だいぶ前のことなので記憶も曖昧ですけど。
まあ、今となっては心霊とか抜きにしても死体とか他人の体液まみれになった部屋かもしれないと思うと普通に気持ち悪いので、敢えて事故物件に住みたいとは思いませんが。
というわけで前置きが長くなりましたが、「事故物件怪談 怖い間取り」という本を読みました。
実話で綴られる事故物件怪談のオムニバス
kindle版アマゾンの売れ筋カテゴリランキングで1位になったりする人気作品です。少し前にTwitterでバズってて、RTで回ってきたのを面白そうだなと思ってチェックしていたのが読んだきっかけです。
事故物件住みます芸人 松原タニシさんの本『恐い間取り』半分まで読んだ
久々だ、こんな気持ち悪い本
読んでて身の危険感じる怪談本ひさしぶりだ pic.twitter.com/0h4UajJ4cd— 外薗昌也 (@hokazonomasaya) July 29, 2018
本編は全てが実際住んだ物件について書かれているかというとそうではなく、
②筆者が知人や友人から聞いた話を綴る「誰かの事故物件」
③心霊スポット等の自宅外での経験を綴る「土地の事故物件」
という3つの章に分かれています。
全49話の短編が収録されており、1つ1つの話はかなり短く、5分もあれば読めるものが殆どです。あまりに短いので読むスピードが早い人なら1分で読める話もあるんじゃないかと感じるほどでした。
話が短いぶんサクッと読めるので、隙間時間とかでもキリのいいところで中断しやすいかなと思います。
1軒目に住んだマンションは全体が事故物件だった
どうやらそのマンションでは十数年前にある凶悪な殺人事件が起きたらしい。しかも数年後には屋上で白骨死体が見つかり、警察の捜査で違法建築が発覚し現在では7階までしか入居を募集していないという。
事件当時から貼られているマンションの見取り図には1階の号室が書かれているものの、何故か1階は改装でぶち抜かれ駐輪所になっている。しかも住人は誰一人として利用していない。
十数年このマンションに住み続けているHさんに話を聞くと、彼は元々1階に住んでいたが事件後、理由を教えてもらえないまま管理会社に無理やり3階に転居させられることになった。
そもそも事件が起きたのは4階なのに何故住民を転居させてまで1階を改装したのか?事件の痕跡を消すなら4階を改装するべきなのに。あまりにも謎が多い…。
というのが1話の大体の流れです。また、1話はサンプルで無料公開されており、kindle端末かアプリで読むことができます。
あまりのリアリティに自分の家が不安になってくる
収録されている話は全て間取り付きで紹介されており、話によっては実際に事故物件で撮れた心霊現象や、事故の名残の写真も掲載しています。
実際のところどこまで脚色されているのか分かりませんが、間取りや現場の写真を見ながら読むと、よりリアルに想像してしまい、「ここに住むのはやばい」っていう雰囲気がひしひしと伝わってきます。
個人的に普通の怪談話とはちょっとホラーの方向が違くて、怖いというよりは不安にさせる、みたいな。実話故に生々しく描かれているので、人によっては読んでて気持ち悪くなるだろうなあって話もありました。
生理的嫌悪感でいうと特殊清掃アルバイトをやった話は結構きついです。特殊清掃アルバイトというのは事件があった部屋の片付けや掃除をする仕事なのですが、自分じゃ絶対無理だろうなと感じました。
本書の作中でも触れていますが、事故物件は大島てるというサイトで調べることができます。有名なサイトなので名前を聞いたことのある方も多いんじゃないでしょうか。話で出てくる一部の事故物件については結構特徴のある場所だったりするので、特定することが可能です。
まとめ
「事故物件怪談 怖い間取り」という本について紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
1話ずつが短いのもあってテンポよく読み進められたので、一気に読み終えることができました。気になった点としては、ここからどうなるんだろう、とページをめくると次の話に移って拍子抜けになる箇所がちらほらあります。
あとはレビューでもよく書かれているのですが、話が短く淡々としているせいか読み終わったあとにどんな話だったのか思い出せないというのも、人によってはマイナスポイントになるかもです。
堀江神社の話とかはぬ〜べ〜で見たことある話だなと思ったら、別の話で7人ミサキの話が出たりしたので作者が好きなのかな。
独特の雰囲気があるのでSNSで話題になるのはなんとなく納得です。一味違った怪談を読みたい方におすすめの作品なので読んでみてはいかがでしょうか。