生楽器の打ち込みってめちゃくちゃめんどくさくないですか?時間かかるし地味だし。
僕がそうなんですが、ギターとかベースは自分で録るって人も、ピアノとかドラムは打ち込みって人多いと思うんですよね。
家で録れるようなものでもないし、スタジオ借りてレコーディングなんてしたら「画面の前で完結できる」ってDTMの最強の利点が失われる。(そもそも演奏できない)
最近の音源は優秀で同じベロシティでもサンプル入れ変えてくれたりするんだけど、それでもベタ打ちだと生っぽさからは遠く、厳しいことが多いです。
とは言うものの少しでも楽したいのが人間の性なので、何とかできそうなとこは何とかしようというのが今回の記事です。(※Cubase向けの記事です)
そもそも生っぽさとは
リアル感と言ってもいいですね。まあ要は実際の演奏に近づけることが必要なわけです。
どんなに上手い人でも、全てのタイミングが寸分違わずジャストでダイナミクスも一定なんてあり得ません。まあ、仮にそういう演奏ができたとして上手いかと言うと別の話なんだけど。
人間が演奏している以上、大なり小なりタイミングのズレやダイナミクスの変化が必ずあります。
いわゆる上手い人はこの要素を意図的に操る技術を持っているんですね。
なぜベタ打ちがダメなのか
人間の演奏には変化があるって書きましたが、ベタ打ちはこれに対してタイミング等が完璧なわけです。完璧ゆえにずっと一定。ではそれの何がダメかと言うと、変化がないものって退屈なんです。
「人の舌は均一に混ぜられた物よりも 不均一な物の方がコクや風味を感じるようにできてる」って「料理で服が脱げる漫画」でも言ってました。
つまり音にランダム性を持たせることが大事なんですね。
ロジカルエディター
ランダム性、ここではタイミングのズレやベロシティの変化を加えていけばいいんですが、冒頭でも書いたように一つ一ついじってたら時間かかるし非常にめんどくさい。
そこで「ロジカルエディター」というものを使います。イベントを開いた状態でMIDI→ロジカルエディターを選択して下さい。
ベロシティをランダムにする
「ロジカルエディター」のプリセットから「random velocity 60 to 100」を設定。これは選択しているノートのベロシティを60から100の間でランダムに割り当てるというものです。
ベロシティの範囲を変えたい場合は、パラメーター1とパラメーター2にそれぞれ最小値と最大値の値を入力して下さい。
ベロシティ自体はノートをドラッグすればまとめて変えられるので、値そのものよりは最小値から最大値までの差をどの程度にするかということが大事です。
クリックなりドラッグなりでノートを選択し、右下の適用をクリックすればベロシティが変わります。
タイミングをランダムにする
もう一度プリセットから「random velocity 60 to 100」を呼び出し、下の枠の実行対象を「ポジション」、操作を「相対的なランダム値を加算」に設定。
パラメーター1とパラメーター2に入力した値で、それぞれノートを現在の位置からどれくらい移動させるか決めます。
ちなみに値の単位はティックで、参考として、8分音符が240ティック、16分音符が120ティックになります。
このあたりは曲のBPMに合わせて聴きながら調整して下さい。まあ±20前後にしておけばそこまで変になったりはしないかと思います。
さっきと同様、適用すれば選択したノートが値の範囲で移動するはずです。
ベタ打ちと聴き比べ
そして参考までにできあがった音源がこちらです。
ベタ打ち
ベロシティとタイミング調整後
まとめ
実際のところノート全部選択で、クリックポチーはい終わりーとはいきませんが、ハイハットだけとかゴーストノートだけとか、ある程度分割して調整していけばベタ打ちよりはだいぶマシになります。時間的にもそんなにかかりません。
実はランダマイズの方法は他にもあるのですが、長くなってしまうのでまた別の記事で解説します。
今回作った設定はプリセットの横のボタンから保存しておくと、次回からワンクリックで適用できるようになるので楽です。また、ロジカルエディターには他に色々プリセットがあるのでそちらの解説もそのうちやりたいなーと思います。
短時間でドラムのベタ打ち感を減らす方法の紹介でしたが、いかがだったでしょうか。参考になれば嬉しいです。